今日は1月3日。
私は例年になく長期の休暇を満喫しておりますが、明日からお仕事という方も多いのではないでしょうか?
さて、昔数学を教えていた時の話です。
その予備校では医学部進学コースを担当しておりました。本科もはじまったばかりのあるとき、浪人生が私のところに質問しに来ました。
先生!予習をしろとおっしゃるので予習をしているのですが、3題とも(その予備校では90分で3題の入試問題を解説することになっていた)不正解なんです。1題あたり平均20分はかけているので、1時間は予習に使っているのですが、この時間ってムダじゃないんですか?
う〜ん、その考え方は間違っているね・・・。テキストの予習は続けるべきだよ。
え、なんでなんですかぁ?効率悪いと思うですが・・・
たしかに、浪人していると時間がないって焦る気持ちもわかる。でも、20分かけて解法を考えたことは君の財産なんだぁ!
ボクには無駄にしか思えませんが・・・
それは20分かけて、本番の入試で同じ問題が出題されたときに、やってはいけない手法を体験しているわけだよ。つまりね、本番でやってはいけない「べからず集」を作っているわけ。いわば誤答のリハーサルをしているわけ。これが「負の学習」というヤツで、数学ができるようになるためには欠かせない過程だよ。
なるほど!負の学習か・・・
最初のうちは予習で正答できないかもしれないけど、復習をするうちに徐々にできるようになってくるから、時間のムダだと考える回数も減っていくはず。
ということで、効率が悪そうですが、失敗するのも実は学習。本番ではやってはいけない手法をカラダで覚えていくことも大切です。この「負の学習」をせずに、正解を綺麗にノートに写すという「作業」を繰り返しても難関を突破できる学力はyous養成されないものなのです。
【負の学習】
予習内容が不正解だとしても、それには意味がある。本番のときにやってはいけない解法をリハーサルしていることになるからだ。この過程は「べからず集」として必ず役にたつ。正答を一直線に求める学習法は、一見効率良さげに見えるが実はそうではないことを肝に銘じておこう!
現場からは以上です。
渡辺塾では英語・数学・政治経済などの集中的授業をおこなっております。
ご関心のある方はお問合せページよりどうぞ。